サラリーマンなど厚生年金に加入している人に生計を維持されていた遺族(①妻・夫・子供、②父母、③孫、④祖父母)が遺族厚生年金をもらえる対象者となります。
遺族厚生年金の支給要件
遺族年金は生計を維持されていた遺族に支給されますが、「生計を維持されていた」と認められるためには遺族の年収が850万円未満であること。
遺族厚生年金は、厚生年金保険から支給される公的年金で、会社員などの厚生年金保険の加入者が死亡した場合に、遺族基礎年金に上乗せして遺族に支給されます。
- 厚生年金保険の被保険者または被保険者だった者が死亡した時に、その遺族に支給される年金額は、死亡した者の老齢厚生年金の額の4分の3相当額。
- 遺族厚生年金を受けるためには、遺族基礎年金の保険料納付要件を満たしていることが必要です。
- 加入者であった方が亡くなった場合も、当該亡くなられた方が老齢厚生年金を受けるのに必要な資格期間を満たしている場合は、支給されます。
- 1級・2級の障害厚生年金を受けられる方が死亡した場合でも、支給されます。
30歳未満の子のない妻は5年間の有期給付となります。
夫、父母、祖父母が受ける場合は、死亡時において55歳以上であることが条件であり、支給開始は60歳からです。
平成24年度の遺族厚生年金額
要 件 | サラリーマン世帯(厚生年金) | |
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遺族年金をもらえる対象者 | サラリーマンなど厚生年金に加入している人に生計を維持されていた遺族
※ 子どものいない妻も遺族厚生年金はもらえます。 妻を除いて年齢条件あり |
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もらえる年金の種類 | 遺族厚生年金・遺族基礎年金 | |
年金の受取り |
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子どものいる妻 | 子ども1人 | 年額 : 1,608,300円(遺族基礎年金を含む) |
子ども2人 | 年額 : 1,834,600円(遺族基礎年金を含む) | |
子ども3人 | 年額 : 1,910,000円(遺族基礎年金を含む) | |
※ 子どもが18歳誕生日後の年度末を過ぎた妻は、「子どものいない妻」と同様の扱いとなります。 | ||
子どものいない妻 | 妻が40歳未満の期間 | 年額:595,000円 |
妻が40~64歳の期間 | 年額:1,185,400円(中高齢寡婦加算を含む) | |
妻が65歳以降の妻 | 年額:1,382,000円(妻の老齢基礎年金を含む) |
(注)子供は18歳到達年度の末日までの子供の他に、20歳未満で1級・2級の障害状態にある子供も含む
計算条件
- 死亡したサラリーマンの夫の平均標準報酬月額は35万円、加入期間を25年(300月)として計算
- 平成15年4月以降は総報酬制の適用を受けるが、ここでは賞与総額が全月収の30%として計算
- 妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして計算
中高齢寡婦加算(遺族である妻が40歳以上の場合に上乗せされる)
- 夫が亡くなった際の妻が40歳以上であれば、中高齢寡婦加算58万9900円(※平成24年度価格)が上乗せされます。
- 遺族厚生年金は妻が遺族である限り受け取れ、中高齢寡婦加算は65歳になるまで受け取れます。
- 夫死亡時に妻が30歳未満で子どもがいない場合は、遺族厚生年金を受け取れるのは5年間です。
- 18歳未満の子(18歳誕生日後の年度末までの子)がいる場合は、さらに遺族基礎年金の支給があります。
夫死亡時、40歳以上の妻が受け取るケース(18歳未満の子どもがいない場合)
- 65歳まで:遺族厚生年金+中高齢寡婦加算
- 65歳から:遺族厚生年金+妻自身の老齢基礎年金
夫死亡時、30歳未満の妻が受け取るケース(子どもがいない場合)
夫死亡時、40歳以上の妻が受け取るケースの場合(18歳未満の子ども第1子16歳、第2子13歳)
- 会社員の夫が亡くなり、妻と子が遺されると遺族厚生年金と遺族基礎年金が併せて受け取れます。
- 夫死亡時に妻が40歳以上の場合に受け取れる中高齢寡婦加算は、遺族基礎年金を受け取っている期間は支給停止になります。
- 末子が18歳に到達する年度末になり、遺族基礎年金の受給資格がなくなると、それまで停止していた中高齢寡婦加算が受け取れるようになります。
経過的寡婦加算(遺族である妻の誕生日が昭和31年4月1日以前だと適用されます)
- 中高齢寡婦加算が加算されていた遺族厚生年金の受給権者であること、あるいは65歳以降はじめて遺族厚生年金の権利を取得したこと。
- 昭和31年4月1日以前生まれであること。
- 昭和31年4月2日以降に生まれた人には加算されません。
サラリーマンの妻と呼ばれている方は昭和61年4月以降は、「第3号被保険者」として国民年金に加入し、保険料を納めたことになっていますが、昭和61年3月までは、「任意加入」といって保険料を納めても、納めなくても良いことになっていました。
昭和61年3月までのサラリーマンの妻は、保険料を払っていなければ、その分年金額が少なくなります。
保険料を払っていない状況は同じなのに、年金額(老齢基礎年金)に差が出てしまうわけです。実際昭和31年以前生まれの女性の老齢基礎年金額は非常に少ない状況です。
不平等を改善するため国は、65歳以降も中高齢寡婦加算同等の年金を受け取れるように遺族厚生年金に加算しているわけです。
中高齢寡婦加算も経過的寡婦加算も遺族厚生年金に加算される制度です。したがって夫が厚生年金に加入していない場合は、これらの加算は行われません。
妻の生年月日 | 経過的寡婦加算(年額) |
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昭和22年4/2~23年4/1 | 177,000 |
昭和23年4/2~24年4/1 | 157,300 |
昭和24年4/2~25年4/1 | 137,700 |
昭和25年4/2~26年4/1 | 118,000 |
昭和26年4/2~27年4/1 | 98,300 |
昭和27年4/2~28年4/1 | 78,700 |
昭和28年4/2~29年4/1 | 59,000 |
昭和29年4/2~30年4/1 | 39,400 |
昭和30年4/2~31年4/1 | 19,700 |
昭和31年4/2~32年4/1 | 0 |